年齢を重ねると、傷が治るのが遅くなる。エイジングケア世代の方ならほとんどの方が実感があるのではないでしょうか?
子供の頃は、外で遊びまわって、転んだりぶつけたりして、わりと大きめの傷をつくることもありましたが、気づいたらきれいに治っていたものです。
それが今や、時間をかけて治ったとしても色素沈着が残る有様。
これにはお肌のターンオーバーが関係しています。
そこで今日は、「肌のターンオーバーとは?」、「年齢との関係は?」などについてお伝えしたいと思います。
肌のターンオーバーって何?
お肌のターンオーバーとは、お肌の入れ替わり、新陳代謝のことです。
傷ができても治ってしまうのは、お肌の表面にある細胞が常に新しく生まれ変わっているからです。
ターンオーバーが起こるのはお肌の一番表面にある「表皮」の部分です。
一番下にある「基底層」で新しい細胞が生まれ、有棘層→顆粒層→角質層と徐々に上層に押し上げられ、最後は垢となってはがれ落ちるというサイクルを繰り返しています。
各層ではどんなことがおこっている?
では、基底層~角質層ではどんな変化がおきているのでしょうか?
順番にみていきましょう。
①基底層
表皮の一番奥の基底層は、ケラチンやメラニン色素がつくられるケラチノサイト(角化細胞)とメラノサイト(色素細胞)という細胞でできていて、ケラチノサイトから分裂した細胞が、有棘層へ押し上げられていきます。
②有棘層
有棘層では、不要な成分が分解されるので、細胞が少しずつ平たい状態に変化していきつつ、上の顆粒層に押し上げられていきます。
③顆粒層
顆粒層では、NMF(天然保湿因子)と角質間細胞間脂質の2つがつくられます。
これらは3大保湿因子のうちの2つです。
お肌の潤いを保つうえで非常に重要な成分になります。
④角質層
顆粒層から角質層に上がってきた段階では、細胞の核が無い状態になっていますので、これ以上分裂することはありません。この細胞を角質細胞と言います。
ようは死んでいるわけですが、角質層はお肌にとって非常に重要で、水分の貯蔵庫としてはたらきます。
一番表面には皮脂と汗とが混じり合ってでき皮脂膜が、水分蒸発を妨いでいます。
この皮脂膜は3大保湿因子の残りの1つです。
角質細胞は、2週間ほどでその役割を果たしたあと、垢となってはがれていきます。
肌のターンオーバーと年齢の関係
健やかなお肌であれば、この細胞の入れ替わりのサイクルが一定のリズムで行われます。
ターンオーバーの期間は、20代の女性で28日程度と言われていますが、年齢を重ねるにつれて、少しずつ期間が長くなっていきます。
個人差はありますが、30~40歳代では約45日程度かそれ以上と言われています。
ターンオーバーが遅くなると、実際のお肌ではどんな変化がおこるかと言うと、例えば、古くなった角質が剥がれ落ちずにお肌の表面にたまり、角質がぶ厚くなり、お肌の表面がカサカサしたり、ゴワゴワしたり、という状態になります。
不要な角質は酵素洗顔などである程度取り除くのもおすすめです。
逆に、ターンオーバーを早くすることばなりに気を取られて、ターンオーバーを促進し過ぎると、今度は未熟な細胞が角質層に押し上げられ、十分に役割が果たせなくなり、お肌の健康を損ないます。
まとめ
今日は肌のターンオーバーについてお伝えしました。
ターンオーバーは遅すぎても良くないですし、早すぎても良くないということを、なんとなくイメージしていただけましたでしょうか?
年齢に応じた適度なサイクルをキープできるように、お肌の状態を毎日チェックしながら、その時必要なケアを続けてみてくださいね。