一言に「お肌」と言っても、いくつもの層が重なって構成されていることをご存じでしょうか?
お肌の表面から0.2mmまでを「表皮」と呼びますが、わずか0.2mmの部分だけでも角質層、顆粒層、有棘層、基底層と、4つの層が重なってできています。
表皮は、お肌と外部の境目、特に保湿やバリア機能、ターンオーバーを考える上で、とても大切な役割を担っています。
そして、表皮が健やかなら、お肌の肌理(キメ)が整った透明感のあるお肌、ハリやツヤのある美肌が手に入ります。
そこで今回は、表皮とは?について、表皮の役割やスキンケアとの関係を、お話していきます。
皮膚と表皮の構造
ヒトの皮膚は大きく分けて3つの構造で成り立っています。表面から、「表皮」⇒「真皮」⇒「皮下組織」の3つです。
その中でも一番薄いものがわずか0.2mmしかない「表皮」です。
表皮は真皮の1/10程度しかありませんが、4つの層が重なって構成されています。4つの層は表面から「角層(角質層)」⇒「顆粒(かりゅう)層」⇒「有棘(ゆうきょく)層」⇒「基底(きてい)層」と重なっています。
① 角質層
肌の一番表面にある角質層は、からだや命を守る役割をしています。もし、角質層がなければ人は水分の喪失で24時間も生きることができないと言われています。
なぜなら、角質層は水分の保持をする役割とともに、外部からの異物の侵入を防いでいるからです。
「肌タイプ診断」を見たことはありますか?
実は、肌タイプ(肌質)は、角質層の水分量と皮脂量のバランスで決まります。
肌タイプは、普通肌、脂性肌、乾燥肌、乾燥性脂性肌の基本4タイプに加え、混合肌、敏感肌、乾燥性敏感肌などがあります。
② 顆粒層
顆粒層は、角質層とともにお肌のバリア機能を発揮しますが、最大の特徴は紫外線を防御する役割があることです。
顆粒層の顆粒細胞質の中にたくさんある「ケラトヒラリン顆粒」というガラス状の粒が紫外線を強く屈折させ、お肌の奥への浸透を防いでいます。
③ 有棘層
有棘層は表皮の中でも最も厚い層です。この層の中には「ランゲルハンス細胞」という細胞があり、免疫機能にかかわる細胞があります。
さらに、皮膚に栄養を与えたり、老廃物の交換などの役割も担っているので、細胞間にリンパ液が流れています。
④ 基底層
基底層は表皮の一番奥にあり、真皮と接しています。
基底層では、新しく細胞を作る役割を担っています。
ここでつくられた細胞が表面の方へと押し上げられ、基底層⇒有棘層⇒顆粒層⇒角質層となって、最後にはお肌から垢となって剥がれ落ちていきます。
これをターンオーバーといいます。
「ターンオーバーを正常化しよう」というのは、この一連の流れを規則正しい期間で繰り返すようにすることを指します。
ターンオーバーとスキンケアの関係
表皮はお肌の最も表面にあり、様々なバリア機能や人間にとって欠かせない役割を担っていることをご理解いただけたかと思います。
では、なぜスキンケアが必要なのでしょうか。
それは、ターンオーバーが正常であると、お肌のバリア機能も正常に働くからです。
表皮が健やかな状態であれば、20代ではターンオーバーの期間は28日(4週間)といわれています。
しかし、30代、40代、50代と年齢が進めば、ターンオーバーは遅くなっていきます。
目安としては、【 年齢 × 1~1.5 】程度です。
ターンオーバーが遅くなると角質肥厚になるので、酵素洗顔やピーリングなどで角質ケアが必要です。
一方で、早すぎると毛穴の黒ずみや角栓などができてしまう場合があります。
だからこそ、スキンケアをしてターンオーバーを正常化させることが必要といえます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。表皮とは一体何なのか、なぜ表皮を健やかに保つ必要があるのかが伝わっておりますと嬉しいです。
表皮のターンオーバーを正常化させるためのスキンケアは、自分の肌質や年齢に合ったものを選ぶと良いでしょう。